仙人講座/第15期 (平成17年度)

■第1回講座  平成17年7月27日(水) 遊学館

基調講演
「取材手帳から~私の出会った素敵な人たち~」
キャスター・エッセイスト 福島 敦子さん

 基調講演はキャスターでエッセイストの福島敦子氏。「取材手帳から~私が出会った素敵な人たち~」と題して、取材の裏話やおもしろいエピソードをまじえながら、忘れることのできない出会いについてお話されました。

 巨人軍の長嶋茂雄終身名誉監督、豆腐メーカー篠崎屋の樽見茂氏、イー・アクセスの千本倖生氏、映画監督の市川崑氏、伊藤忠商事の丹羽宇一郎氏など、人として大切なことを教えてくれる貴重なエピソードが、次々と続きます。仕事の成果、企業改革への成功、人生の幸せ、若さの秘訣…。福島氏が語る、取材で得た真実の言葉は、これからの私たちの生き方にヒントを与えてくれました。

 最後に「誰にとっても、1年は365日、1日は24時間。そのかけがえのない時間を大切に過ごし、いい形で蓄積することができた時に、私たちはとても幸福な人生を手にすることができる」と結ばれ、会場は大きな拍手で包まれました。

実践講座
「上手なコミュニケーション法」 
フリーアナウンサー 前川 孝子さん

 続いての実践講座は、西川町出身のフリーアナウンサー、前川孝子氏。「上手なコミュニケーション法」と題し、より良い人間関係を築くコツを伝授されました。 コミュニケーションとは双方向(2ウェイ)で成り立ち、「情報」「意思」「感情」の3つをお互いに分かち合うことです。人にはそれぞれ個性があり、自分なりのコミュニケーションの取り方があってしかるべき、自分のフィルターを通して、相手に伝え、受け取るので、そこがコミュニケーションの奥の深さであり、怖さであり、面白味であるといいます。

 時には、好き嫌いの感情、年代や知識の落差、先入観や価値観の違いによって、コミュニケーションがうまくいかない時もあります。それにとらわれすぎないで、相手を受け入れる聞き方や返し方がないだろうか考えてみることが大切だそうです。
人間だれしも辛い時はある、マイナスな時ほど笑顔を作ろう。感情をコントロールすることは難しいが、動作でコントロールできるというノウハウも主張されました。よく通る声で会場を動き回り、パフォーマンスをまじえながらのお話は、とてもわかりやすく、前向きな気持ちにさせてくれる講演となりました。

■第2回講座  平成17年8月25日(木) 遊学館

基調講演
「100歳仙人になるための食術」
食文化史研究家 永山 久夫さん

 基調講演は、マスコミでも活躍中の食文化史研究家の永山久夫氏。「100歳仙人になるための食術」と題し、体も頭も健康で長生きするためのポイントをわかりやすくお話しいただきました。とても愉快な語り口で会場を終始笑いに包み、楽しくてためになる講演会となりました。

 若さを保つために重要な役割をしているのが女性ホルモンのエストロゲン。大豆に多く含まれているイソフラボンはエストロゲンに似た働きをするので、みそ汁が一番体に良いそうです。昔から「実の三種は身の薬」と言われ、抗酸化成分のある具をたくさん食べると病気を防ぐことができます。

 また、セルトニンという脳内の神経伝達物質を増やして明るく過ごすこと。これはハピネスホルモンと呼ばれ、幸福感や病気への免疫効果があり、夜になるとメラトニンに変化し安眠を誘います。セルトニンを作るトリプトファンが多く含まれているのは、西川町伝承の「六浄豆腐」が一番だそうです。

 それから、骨と脳の老化を防ぐことも重要です。唾液の成分パロチンは軟骨の老化に効果的なので、梅干しを食べて唾液が多く出るように心がけること。ゴマは脳の酸化を防ぎ、魚のタウリンは目に効果的。とてもためになるお話が次々と続きました。

長寿食の研究をされている氏は、日本や外国の主な長寿村の女性達や前田利家の妻まつのライフスタイルを例にあげながら、昔からやってきたことには科学的な根拠があること。また、現代社会に生きる私達の過去の悪い生活習慣は変えられないが、これから未来は変えられるなどを主張されました。

 最後に、「笑うと増えるというナチュラルキラー細胞(ガンに対して免疫効果がある)を増やして仙人になりましょう」という永山氏の笑い声につられて、聴講者も気持ちよく大きな声で笑い、講演は終了しました。

実践講座
「楽しみたい、残したい、山形の食文化」 
広告プランナー・山形スローフード協会理事 浅倉 かおりさん

 続いての実践講座は、広告プランナーで山形スローフード協会理事の浅倉かおり氏の「楽しみたい、残したい、山形の食文化」。病気の経験から食生活管理に注意するようになったこと、山形の食文化のすばらしさやスローフード運動の実践をお話しされました。

 広告プランナーという仕事をとおして、山形にはすばらしいものがたくさんあることを再発見したそうです。今は知る人がいなくなってしまった「すっぽこ」(あんかけうどん)。伝統野菜では「蔵王かぼちゃ」や「あかねほうれんそう」など。郷土料理では「だし」や「冷や汁」など。これらは財産なので、ぜひ残していってほしいと主張されました。

 また、スローフード協会のイベントで、普段食べているものを本物だと思い、おいしいと感じていることがわかり、食育や普段の食生活の大切さを実感したそうです。
 地元でとれたものは、長い歴史の中、自然環境の試練を乗り越え、今もこの土地に根を張り、たくましい生命力とすばらしい遺伝子をもっています。「地産地消」「身土不二」の言葉に代表されるとおり、「健康になるためには、四里四方で作られた食べ物をよく噛んで食べ、よく笑って過ごすことが大切」と結ばれ講座は終了しました。

■第3回講座  平成17年9月15日(木) 遊学館

基調講演
「人生は舞台だ」
俳優・脚本・演出家 江守 徹氏

 テレビドラマや舞台、映画の他、最近ではテレビの旅番組やバラエティ番組にもご出演、さらにエッセイなどもご執筆されるなど幅広くご活躍の、俳優で脚本・演出家でもある江守徹氏の「人生は舞台だ」と題した基調講演が行われました。

 江守氏は、お母様と二人だけの母子家庭で育ちました。弁が立つ闊達な方で、お祖父様からは「おまえが男だったらなぁ」と言われたくらいでした。そんな気丈で好奇心旺盛なお母様から生まれた江守氏の初めての記憶は、2、3歳の時に見た映画『フランケンシュタイン』。しかし恐くて泣いてしまい、お母様は仕方なく隣の映画館へ連れて行き、『エノケンのチャッキリ金太』を見せると笑い声を出して喜んだという記憶だそうです。

 そのお母様の影響で映画や美術、音楽などが好きになり、中学で既に俳優になりたいと決意。高校で演劇部に所属、卒業して見事、難関の文学座研究所におよそ500人中ただ一人合格。「おぉっ、俺は大変なエリートじゃないか」と思ったものの、なかなか生活が苦しく悩んだと言います。ラジオ番組で駅の構内放送の「東京、東京」とだけ言う台詞が初めての仕事だったなど、当時を懐かしげに語られました。

 そして、人生を語りながら、「産声を上げた時が幕開き、息を引き取った時が幕が下りる時。人生の幕は必ず下りるのです。幕が下りるまでいろいろ辛いこともあるけれど、それが生きるということ。不老不死は一生芝居し続けることと同じだが、人生は違う。その幕が下りるまで人生をやめるわけにはいかない」と、舞台と人生のお話となり、続けて「人生の幕が下りた時、自分がその後どうなるのかはわからない。芝居の場合は、稽古してその前から最後までの筋がわかっているけれど、人生はそれがわからない。最近はつくづく”人生は舞台だ”ということを考えさせられています」と、一度結ばれました。

 会場からの拍手の後、江守氏は有名な『ハムレット』の一場面の台詞を日本語と英語で語り、満場の観客に応えました。江守氏のお話同様、人生に真正面から立ち向かっていくエネルギーを感じ取ることのできた講座となりました。 

実践講座
「発想の転換を求めて~“生かす”知恵と工夫」
観光カリスマ工藤事務所代表 工藤 順一氏

 実践講座では国の観光カリスマ百選のお一人である工藤順一氏が、「発想の転換を求めて~生かす知恵と工夫~」と題し講演をされました。

 講演は、アイデアにあふれた話題で盛りだくさん。中心は氏のお膝元・寒河江市の地域おこしの数々で、ツバを飛ばすようなものと怒りをかったサクランボ種飛ばし大会、自ら女装して観光パンフレットの撮影モデルになったバラ風呂、構内暴力をなくそうと情操教育にも役立った七草狩り等々、愉快なエピソードを交えて次から次からへと飛び出しました。

 アイデアの発想をどう実践するのかについて、全国から観光客を呼び込むためには、町と県と国との行政間のネットワークがあって、地域住民とも共生しながら情報発信することが欠かせません。皆が元気に明るく頑張れば、さらに次の発想も生まれます。

 また、アイデアにはドラマが必要。ドラマのあるところには人が集まります。ものが売れ、地元に現金が落ちます。やがて経済効果が現れ、地域活性化につながると主張していました。「山形には自然がいっぱい。雪も降る冬など素晴らしい四季があり、衣食住ともいろいろに楽しめる。山形は日本一、世界一いいところ」、「生きてる農産物の題材を生かせば絶対に人は来る」と力説、山形県のPRに全国を飛びまわっている工藤氏ならではの、まさしく”山形賛歌”の講演でした。 

■第4回講座  平成17年10月20日(木) 遊学館

基調講演
「ぴんぴんころりで行きましょう~涙と笑いの介護講談~」
講談師 田辺 鶴英さん

 基調講演は講談師の田辺鶴英氏。若い頃は実母の介護、結婚後は義母の介護という貴重な実体験の話の後、まずは聴くと長生きすると言われる迫力ある古典講談「三方ヶ原軍記」を披露。

 その講談のように、腹式呼吸で声を出すことはストレス発散になり健康で長生きする秘訣だそうです。そして介護も自己満足ではなく相手がしてほしいことをすること。認知症になったら、あるがままを受け入れて自然に接してあげること。介護は一人ではできないので、家族や仲間が必要不可欠。ボランティアや趣味で生き生き健康になることも必要。自らの体験を通した、まさに涙と笑いの介護講談が続きます。

 今、日本はとても豊かになり、高度医療を受けられますが、だからこそ家族・親子の絆を深めなければいけません。自分が親だったらしてほしいことを自分の親にしてあげましょう。満足する生き方・死に方を見せるのが最高の教育になります。いろいろな人生の諸先輩との出会いによって、柔軟に考えられる基盤を作っていきましょうと主張されました。「ぴんぴんころり」で行くための秘訣、田辺氏の迫力ある歯切れの良い語り口も印象的でした。 

実践講座
「応急処置法を学ぼう!」
山形市消防本部本署救急係   結城 薫氏

 続いての実践講座は、山形市消防本部本署救急係の結城薫氏による「応急処置法を学ぼう!」。バイスタンダー(その場に居合わせた人の意)による適切な応急処置と迅速な通報は、救命率が格段に違うそうです。今回は、人形やスライドを使って、心肺蘇生法について分かりやすく解説していただきました。

 心肺蘇生法の手順の基本は、A「エアウェイ」(気道確保)、B「ブリージング」(人工呼吸)、C「サーキュレーション」(心臓マッサージ)、D「除細動」(電気ショック)です。意識がなければ、あご先を引き上げ頭を後にそらせ、口から肺へ空気の通り道を確保し呼吸を観察します。呼吸が感じられなければ、鼻をつまみ2秒かけて2回息を吹き込みます。脈拍がなかったら、左右の乳首の中間の胸の上(胸骨の下半分)に手の付け根を置いて圧迫します。成人の場合は3.5~5cm、1分間に100回の速さで15回圧迫します。その15回の心臓マッサージと2回の人工呼吸を繰り返し行います。

 また、平成16年7月からAED(自動体外式除細動器)による救命処置が一般市民の方も実施可能になりました。電源を入れると音声ガイドが流れます。パッドを胸にはり「除細動が必要」という音声が流れたら通電ボタンを押します。早期の除細動は、救命にとってとても大切だそうです。自分から進んで適切な応急処置を身に付けましょうという言葉に、受講者は熱心に聞き入っていました 

■第5回講座  平成17年11月10日(木) 遊学館

基調講演
「勝者の思考法」
スポーツジャーナリスト 二宮 清純氏

 この日は2階のホールでの仙人講座となり、スポーツジャーナリストの二宮清純氏が「勝者の思考法」と題し基調講演を行いました。自らの取材を通して出会ったスポーツ界のリーダー達を紹介しながら、「リーダーの条件とは何か」を様々なエピソードを交えて熱く語りました。

 選手達に「僕は君達の過去は見ない、未来を見る」と指導し、ロッテを優勝に導いたボビー・バレンタイン監督。地域の活性化につなげながらサッカーのプロ化をめざしたJリーグ100年構想推進の時に「時期尚早と言う人間は100年たっても時期尚早と言う。前例がないと言う人間は200年たっても前例がないと言う」という名言で、それまでの日本のスポーツ界の流れを大きく変えた日本サッカー協会会長の川淵三郎氏。現在日本ハム選手で北海道を沸かせている新庄選手を阪神時代にピッチャーに起用して、その後大リーガーにも育て上げたプロ野球・東北楽天の野村克也監督。そして天真爛漫な性格で選手の名前をなかなか覚えなかったが、そのことでチーム内の公平性・平等性を確保した「摩訶不思議な」リーダーシップの持ち主、長嶋茂雄氏。さらに高橋尚子ら多くの女子マラソンランナー達をコミュニケーションの力で世界的な選手に育て上げた小出義雄氏らを挙げました。

 二宮氏は「リーダーたる者、教育者たる者、指導者たる者は言いたいことを伝えただけでは駄目、伝わったことを確認する義務を負う」と言い、そして「情熱(Passion)・使命(Mission)・行動力(Action)の3つが21世紀のリーダーシップの条件で、この3つを持っている人間が閉塞状況を打開し、勝者となる」と主張しました。スポーツの世界だけでなく職場、教育の場、家庭でも同じことと、スポーツに材を取りながら、スポーツと地域とのつながり、そして指導者はかくあるべきと講演を結び、満場の拍手を浴びました。 

実践講座
「高齢期の若返り健康エクササイズ」
アスレチックトレーナー・やはぎ接骨院院長 矢萩 裕氏

 続いての実践講座、または、本誌『いきいき時代』の健康エクササイズコーナーでもお馴染み、やはぎ接骨院院長でアスレチックトレーナーの矢萩裕氏に、「健康維持のためのストレッチ」と題しお話いただきました。まず最初に、椅子に座ったままできる手足の運動から始まりました。家庭で簡単にできる体操を実際に取り入れて、受講者も手足を動かし、熱気に溢れる楽しい雰囲気につつまれました。同様に家庭や屋外でも簡単にできるトレーニング等についても、スライドをまじえながら詳しくご説明いただきました。さらに、健康に過ごすためのポイントは、3つのバランスが大切だそうです。1つ目は、自分に合った運動を続けること。2つ目は、運動で筋力が疲れたら適度に休ませ回復させること。それから3つ目は心のこもった手作りの食事を毎日バランスよく好き嫌いなく食べることだそうです。

 最後に、2025年には四人に一人が高齢者という時代、これから要介護の人数を減らしていくためには、自ら健康を維持する運動が必要。無理なく運動を継続するために、自分が楽しいと感じるものを見つけることが重要。痛みが伴う場合は、痛みの悪循環を取り除くための努力をし、主治医の先生とも相談しながら、生活の中に取り入れていって下さいと結ばれました。

■第6回講座  平成17年12月14日(水) 遊学館

基調講演
「人生を300歳生きる風水の知恵」
静岡県立大学教授 高木 桂蔵氏

 基調講演では、風水についての著作を多く書かれている静岡県立大学教授の高木桂蔵氏が「人生を300歳生きる風水の知恵」と題し話されました。氏は「人の2倍飯を食って、3倍働いて、4倍本を読んで、5倍遊んで、自ら300歳を生きている」と断言し、幸せになりたいと思えば、常に前向きに明るく考えなさい、風水とは「幸せになるためのもの」であり、祖先から継承された「経験則」で、先人の残した「祈り」であり、「願い」であるとも言われました。

 高木氏は、祖先からの「経験則」である風水を中国伝来の五行思想にあてはめながら、様々な言い伝えを次から次へと楽しくお話しされました。例えば、「黄色い財布を持つとお金が貯まる」というのは、黄色は土を表し、土は金を生むから。また「稲荷神社の鳥居が赤い」のは、稲荷は稲を育てる土の神様で、土の親は火で、火は赤だからというわけですし、土は金にもなることから商売繁盛の神様でもあるというわけです。

 さらに、桃太郎の鬼はなぜ角をはやして虎の皮パンツをはいているのかとか、桃太郎はなぜ犬と猿とキジを連れているのかなどを十二支にあてはめて説き明かしました。その他、家相やラッキーカラーなどのお話もあり、受講者の皆さんも大きくうなづいては笑顔で聴き入っていました

実践講座
「シニアのための賢いマネープラン」
山形銀行営業統括部「くらしと経営の相談所」 小林 潔氏

 実践講座は、山形銀行「くらしと経営の相談所」の小林潔氏が「シニアのための賢いマネープラン」と題して行いました。マネープランにはライフプランに合わせた「使う」「増やす」「守る」という3つの目的があると言います。

 では老後資金はどれだけ必要なのか。小林氏は実際に計算して示しました。すると、60歳の人があと22年余命があるとしてゆとりのある生活をするためには1億2000万円、最低限の生活でも7610万円が必要という数字が出ました。この数字は使うお金です。では入ってくるお金は、年金などをもとに計算すると最低限の老後資金にほぼ近い数字になりました。しかし老後には医療費や介護費など思わぬ出費もあります。ゆとりにはほど遠く、足りない分は自助努力というわけです。そこで有利な資産運用が必要になります。そのためにはリスクを分散して負担をできるだけ軽減する効率的な方法を選ぶこと。そこで、投資も金融商品も保険もすべてが自己責任の時代ですから、資産はどこに安心して預けられるかを見極めることが大切になります。

 そして老後を考える上で最後が相続です。「家計資産の7割は不動産」といわれ、土地や建物が担保に掛かっていないかどうかを確かめておくことをお忘れなくと、小林氏は様々な金融情報をお話しされながら、漠然としていたマネープランをもう一度見直し、豊かなシニアライフを送ってほしいと結ばれました。 

■第7回講座  平成18年1月20日(金) 遊学館

基調講演
「ワイドショーから何が見えるか」
映画監督 山本 晋也氏

 今年度最後の仙人講座は、映画監督の山本晋也氏。現在66歳、東京は神田生まれ、江戸弁の歯切れのよい語り口で、笑いを誘う楽しい講演となりました。

 還暦を迎えた時に生前葬を盛大に行い、東京湾で船上パーティーをしたという楽しいエピソード。その還暦記念のバンジージャンプで、ニュージーランドの200メートルの高さの吊り橋に立ち恐怖を味わいながら高血圧のためジャンプできなかった経験。取材でアフリカの自然公園のライオンから襲われそうになったこと。子供の頃東京大空襲で戦火を逃れた思い出など、ご自分の人生を振り返りながら、死と向き合った瞬間の貴重な体験を話されました。また、熟年離婚が取り沙汰される昨今、今を楽しく生きるための夫婦のあり方について、自立を尊重し自分の楽しみを見つけることが大切と話されました。加えて、人生にはある種の抑制が必要だということで、還暦から6年間、大好きなお米を絶ち、蕎麦を主食にしているため、血圧も正常、記憶力の低下もなく、今日は山形の寒ざらし蕎麦を食べて帰れば大満足、本当に今が一番楽しいと主張されました。 

修了式

 第7回仙人講座の基調講演終了後、平成17年度仙人大学校の修了式が行われました。県生涯学習文化財団の石沢治雄学習振興部長と修了生代表の土屋三之助さん(山辺町)が挨拶。仙人ライセンス取得者は平成3年度から数えて1772名となりました。