仙人講座/第4期 (平成6年度)
4年目を迎えた…
「仙人講座」いよいよ開幕!
■仙人公開講座
◆平成6年6月23日(木) 遊学館ホール
◆講座:随筆家・評論家 佐々木久子氏「今を燃えて生きる」
◆講座:アナウンサー 高橋圭三氏「私の生きがい-アナウンサー一代」氏
「仙人講座」のOBの皆さんは「仙遊会」のメンバーの一員となりますが、その数も360人に達し、今日ではさまざまなグループ活動も行われています。
『講座の帰りは、いつも身も心も軽く、明るい気持ちの自分を発見しました』『これからは自主的に我のままに生きていきたい』…昨年、「仙人ライセンス」を手にした第3期生の感想の言葉です。
今年の仙人大学校の開校式と公開総合講座が山形市内の遊学館で開かれ、300人を超える受講生が熱心に聞き入りました。はじめに本財団の井上武常務理事の開講のあいさつに続いて、随筆家で評論家の佐々木久子さんが「今を燃えて生きる」。アナウンサーの高橋圭三さんが「私のいきがい-アナウンサー一代」と題して講演しました。
岩手県出身の高橋さんは、方言克服やテレビ放映への挑戦などNHK時代の苦難な体験談を披露し『培われた表現技術は75歳の今でも若い人には負けない。人生のベテランとしての気概を持ち続けることが大事』と訴えました。
(写真:講演中の高橋圭三さん)
佐々木さんは辛口ながらもユーモア溢れる語り口で『年を取れば体力が衰えるのは当たり前。物事にときめいたり、感動する情熱を失うと老齢退化する』と結びました。
(写真:ユーモアたっぷりの佐々木久子さん)
■第1回講座「交遊仙人」 平成6年7月20日(水) 遊学館
基調講演
俳優で東京都世田谷区のボランティア協会理事長の牟田悌三さんが「人生ってささえあいっこ」と題して講演。自ら企画した中学生と障害者との交流イベント活動を紹介しながら、『弱者の立場を理解するつもりが、子供たちが対等な関係で互いを自己啓発する機会だったとこを逆に教わった』と話し、『人との触れ合いには、お互いの自己研さんが必要』と強調されました。
(写真:俳優の牟田悌三さん)
実践講座
仙人体操ですっかりお馴染み、スポーツクラブ・オレンジワンの加藤美佐江さんが今年も「若さを保つリラックス体操術」を披露した後、「心で話す会話術」をテーマに実践講座に移り、元山形放送アナウンス部長の大村和夫さんが講演。『心と心のキャッチボールの手段として会話がある。まず何より明るく振る舞う姿勢が大事』と締めくくりました。
(写真:会話のプロ大村和夫さん)
■第2回講座「自足仙人」 平成6年8月25日(木) 遊学館
基調講演
初めに生活評論家の吉沢久子さんが「楽しく老いるために」と題して基調講演。『老いを自ら輝きながら生きるには、健康や経済的な問題と共に、いい人間関係を早くから築いておくことが大事で、お金以上に人間関係の「蓄積」が大切』と、自らの体験を披露しながら力説されました。また、『日本の社会福祉が遅れているのは、日本の女性が優しく、我慢強かったからではないか』と指摘されました
(写真:吉沢久子さん)
実践講座
続く実践講座では、コンサルタントの石川由紀さんが「家族に頼らない生き方を探る」と題して講演。一人でできる食事の作り方や、いざという時に備えての対処の仕方など、ユニークな対応術を披露。『これからは上手に迷惑を掛けて生きよう』とアドバイス受講生はウィットの効いた講演に腹を抱えながら一歩ずつ仙人に近づいているようです。
(写真:石川由紀さん)
■第3回講座「発想仙人」平成6年9月21日(木) 遊学館ホール
基調講演
泌尿器科の医師で、欧州三大北壁やキリマンジャロなどを征服した女性登山家として有名な今井通子さんが「明日への自分開発を」と題して基調講演。『自然環境は健康と密接な関係がある。自然を見直し、自然と共存する中にこそ心身ともに健康に生きる道が見出せる』と自然の摂理を強調されました。
(写真:女性登山家として有名な今井通子さん)
実践講座
続く実践講座では、健康問題コンサルタントの漆山治氏に「健康のためのビタミンの知識」と題し、老化を防ぐビタミン群について詳しく解説していただきました。
(写真:ビタミンについてお話しする漆山治さん)
ファッションショー
さらに小澤洋子さんの指導のもと「シニアのためのファッションショー」も開かれ、受講生から選ばれたモデル、OBを含め満席となった会場を大いに沸かせました。『年をとっても工夫をして、おしゃれへの関心は持ち続けて欲しい』とのアドバイスには、共感させられることが多く、ファッションの世界でも発想の転換が必要なようです。
(写真:着やすい服がなによりと小澤洋子さん)
■第4回講座「発想仙人」 平成6年10月19日(水) 遊学館
基調講演
初めに芥川賞作家の畑山博氏が「好奇心の育て方」と題して基調講演。『日頃から現実の世界、つまり既成概念と遊離した、柔らかい思考をする習慣を身につけておくことが大事』と、好奇心へのアプローチ法を独特の口調で解説しました。
(写真:芥川賞作家の畑山博さん)
実践講座
恒例の仙人体操で身体をほぐした後、実践講座では山新観光常務の原田昇氏が「仙人たちの旅行術」と題して講演。なぜ人間は旅をするのだろうか。旅の効果にはどのようなものがあるのだろうか。また実際の旅行に際し、どのような注意が必要なのか、などについてのノウハウを具体的にアドバイス。受講生は熱心にメモをとりながら「知的」充電に務めました。
(写真:原田昇さん)
■第5回講座「発想仙人」 平成6年11月2日(水) 山形美術館
紅葉が美しく映える山形美術館に会場を移し、「一芸仙人」をテーマに人気漫画家の古谷三敏氏が「感動術の極意」と題して基調講演したほか、近代経営研究所の吉川実代表取締役による「シニアのマネープラン」と題した実践講座が開かれました。
古谷さんは、漫画家を志した動機や修行時代を振り返りながら、ヒット作品が誕生するまでのエピソードを披露。その場でスラスラと「ダメおやじ」や「ぐうたらママ」などの代表作を描いて参加者にプレゼントしました。
またこの日は、フランスの「ナンシー美術館名作展」の初日にあたり、同美術館の岡部学芸員から一通りレクチャーを受けた後、ティントレットからマネまでの名作を心ゆくまで鑑賞。「芸術の香り」を堪能しました。
(写真:人気漫画家の古谷三敏さん/上 近代経営研究所の吉川実さん/下)
■第6回講座「発想仙人」
平成6年12月15日(木) 山形グランドホテル
基調講演
初めにNHKテレビやラジオの体操指導者として知られる輪嶋直幸氏(武蔵野短大講師)が「心とからだのリフレッシュ」と題して基調講演。手足や指の運動を随所に取り入れた「満点体操」を紹介しながら、ユーモアあふれる話術で『笑いは健康のバロメーター。素敵な笑顔は良い姿勢とバランスのとれた体から生まれるもの。いつも自分の体と対話して、体のずれを矯正するように努めて欲しい』と結びました。
(写真:笑顔も満点だった輪嶋直幸さん)
実践講座
続く実践講座では、竹田家政専門学校の吉井満子講師が「酢を使ったヘルシークッキング」と題して講演。カロリーの計算法や減塩のためのノウハウなどについて説明を受けた後、ほたて貝を使った唐揚げマリネを全員で試食。熱心に質問する受講生の姿が目につきました。
(写真:吉井満子先生)
■第7回講座「発想仙人」&修了式
平成7年1月25日(水) 山形グランドホテル
去る1月25日の第7回講座の後、修了式を行い、井上武副学長(本財団常務理事)より受講生代表の川崎良作さん(85歳)と佐藤まつさん(77歳)へ待望の「仙人ライセンス」証書が手渡されました。
続いて交流パーティーが和やかに開かれ、今年の講師陣が心をこめて描いた色紙贈呈の場面では、思いがけぬプレゼントに大喜び。また全員で「四季の歌」を合唱するなど「青春の味」を満喫するひとときを過ごしました。(写真右:圓菊師匠からの色紙プレゼントに思わずにっこり)
修了式に先立つ講座では、落語家の古今亭圓菊師匠が「美しく咲けば、皆が寄ってくる」と題して講演。『自分の得がたい体験を生かして、若い世代にも人間の基本的な事柄を教えていって欲しい』とエールを送りました。
7ヶ月にわたって実施された「仙人講座」は、受講生の皆さんの胸に熱いロマンを刻みこんで終了しました。これからは会得した「7つの顔」を駆使して、自由で楽しいシニアライフを送っていただけることでしょう。